リポバッテリーは、ドローンやスマートフォンなどの民生品に使用される充電式のバッテリーです。しかし、それらの寿命を縮める要因について理解することは、単にリポバッテリーの製造者や使用者がバッテリーを最適に使用するために必要なだけでなく、その寿命を延ばすために重要です。性能面で優れているとされるバッテリーも、比較的同等の他のバッテリーに比べて寿命に影響を与える弱点があります。本稿では、充電サイクル、放電深度、温度、保管状況などがリポバッテリーの性能に影響を与えるという観点から説明を行います。
充電サイクルおよび放電深度の影響
LiPoバッテリーの寿命に影響を与える要因の主要因の一部には、充電サイクルが含まれます。充電サイクルとは、バッテリーが完全に放電されてからゼロ(0)から100%まで充電し直すまでの流れを指します。実際の使用においては、部分的な放電が発生するため、アプリケーションプログラミングではPDC(部分放電サイクル)のみが流れます。たとえば、ある機器が4回の充電サイクルで25%ずつ使用したとしても、それはフルサイクルを1回使用したとは限りません。LiPoバッテリーは、容量が大幅に減少する前に、通常300〜500回程度のサイクルまで減少傾向があるものです。
バッテリー寿命を決定づける主要な要因の1つは、充放電深度(DoD)の設定です。DoDとは、再充電前に使用したバッテリー容量の割合を示すものです。たとえば、バッテリーを50%まで充電し、再度50%まで放電する場合、DoDは50%となります。実験の繰り返しにより、DoDを低く抑えることでバッテリー寿命を大幅に延ばすことができることが繰り返し示されてきました。DoDが20%のバッテリーは、潜在的なDoDのバッテリーよりも(例えば、何度も80%まで放電されるバッテリー)、故障までのサイクル寿命がはるかに長く、2倍以上になる可能性もあります。このような関係が成り立つのは、深く放電するとアノードおよびカソード材料にかかるストレスが大きくなり、劣化が促進されるためです。
温度と保存電圧が劣化に与える影響
温度はLiPoバッテリーの寿命に大きく影響します。バッテリーは一般的に、20℃(68℉)を中心とする室温範囲内で最も良好に動作します。加熱すると、LiPoバッテリー内部の化学反応が促進され、短期的には容量が増加する可能性がありますが、長期的には劣化が進行します。極端に加熱すると、電解液の分解が起こり、内部抵抗が高くなり、最終的には破損する可能性があります。一方で、極端に低温になると、化学反応の効率が低下するため、バッテリーが電流を供給できなくなることがあります。
さらに、LiPoバッテリーの保管電圧はその寿命に大きく影響します。LiPoバッテリーは、セルあたり3.7〜3.8ボルトの部分充電状態で長期保管することが可能であり、満充電(セルあたり4.2ボルト)状態や放電しきった状態(セルあたり3.0ボルト以下)で保管してはいけません。バッテリーを満充電状態で放置すると、バッテリー内部に結晶構造(リチウムプレート)が形成され、容量が不可逆的に低下する原因となります。一方で、低電圧での保管は過放電現象や安全なレベルを下回る電圧低下を引き起こし、永久的な損傷を生じる可能性があります。
まとめ
要約すると、リチウムポリマー充電池の寿命はさまざまな要因に依存しています。充電サイクルや放電レベルは、バッテリー容量が大幅に減少する前段階において、大きな影響を与える可能性があります。同時に、温度や保存電圧といった理想的な環境条件を維持することも、バッテリーの健康状態を長期間保つために重要です。これらの要素を理解し、適切に管理することで、LiPoバッテリーの使用期間を大幅に延長することが可能となり、さまざまな方法でデバイスと連携しながらその機能を維持できます。リチウムポリマーバッテリーは、電池化学の継続的な研究開発により進化しており、より安定し、長寿命なソリューションが期待されています。